aino
詐欺師と悪党の違い
「働いた分だけ儲かればよい」などという詐欺師は絶対にいない。 詐欺師は鉄則に従って金のために人を騙す。 そして詐欺師は根こそぎいきやがるという特徴を持っている。 景気不景気に関係なく詐欺師にとっての儲け口はそうそうあるもんじゃぁない。 詐欺師たるもの、「濡れ手で粟」を常に目指して、人様より「ボロクチ」「ぼろ儲け」に夢を描くもんなんだ。 だいたい世の中、うまい話はそうそうある訳ない。 ところが詐欺師は日々儲け口を虎視眈々と狙ってるから、人様よりその手の話に敏感に生きてる分目ざとく獲物を視つける。 獲物とは詐欺師にとっての「ボロクチ」の標的のこと。 しつこくて悪いけど世間に美味しい話はそんなに転がってない。 おのずと詐欺師は目当てを一つ見つけると、そうそうお目にかかれるモンじゃなし、そいつが生む利益をトコトン食い尽くしてやろうと考える。 「甘い汁」はできるだけ吸い尽くしたい。 だから一度その獲物が金になると、 『とりあえずこのくらいで勘弁しようかな…?!』なんて詐欺師は絶対に考えない。 その獲物でいけるところまでトコトン金にしてやろうとあらゆる手段を講じて奮闘努力するものなんだぜ。 誰が見ても、「あぁ、アイツは悪(ワル)やな」とヤクザを網羅したどっからみても悪党という人達がいる。 彼らも「ボロクチ」目指して日々頑張っている。 ひと目逢ったその瞬間に、 『やっぱお前か』 『さもありなん』 『んだわなぁ‥』 なんてすぐ納得できるぐらい悪党然の面構えに決まってる。 高利貸しやヤクザなんかどっから見ても誰が見ても悪党で分かりやすい。 悪党面した悪党だし、悪党を売り物にしてるから、「ワシは悪やで」なんて親切に教えてくれたりする奴もいるくらいだ。 なら下手な怪我したくなければ簡単だろ? 悪党には近寄らない。 悪党には係わらない。 さっさと逃げとけばよいのだ。 悪党は見れば分かるので餌食にならないように近寄らずにおくことができる。 どっから見ても悪党なんだ。 止めとこ。 逃げとこ。 相手にならんとこ。 まこと非常に分かりやすい。 やっかいなのは詐欺師だ。 何故かって? 詐欺師は決して悪党には見えないから。 詐欺師は悪党には見えないけど悪だから。 分かんないから逃げられない。 よーーく見てもどっから見ても悪党には見えないのに悪なのが詐欺師なのだ。 「人間は顔やない」と良識ある先人の言葉通り、人間は顔やない。 ところが私の係わったあの女のようなホンマモンの詐欺師は、 「人間は顔だ」 「生きざまが顔にでる」 「顔を見ればその人間が分かる」 「だから人間は顔だ」 とうそぶいては顔の良いことを武器にして、言葉巧みに周囲の人達を欺いていた。 では詐欺師と悪党の違いを明確にしておこう。 詐欺師は貴方が獲物に選ばれたことを気付かせない。 貴方は食い尽くされるまで詐欺師の餌食になったことに気付かない。 根こそぎいかれて後の祭りだ。 そして大いなる詐欺師とは、根こそぎ食いつくしても獲物が餌食になったことすら決して気付かせない。 まさにプロフェッショナルだな。 ところが詐欺師には悪党にない最大の特徴がある。 且つ、そいつは詐欺師の弱点でもある。 詐欺師の定義のところでも書いたけど、詐欺師は化けの皮が剥がれる、もしくは剥がされると、トットと逃げ出すもんなんだぜ。 繰り返しになるけど既に詐欺師として通用しないんだから当然の結果なんだ。 詐欺師は自分が詐欺師だなどとは絶対に教えてくれない。 けど、正体がばれるとトットと逃げ出す。 当たり前だよな、詐欺師相手にわざわざ詐欺の被害者になってくれる奴なんかいるか? んな奴いねぇだろー。 詐欺師ってのは詐欺師だとバレねぇうちが花なのよ。 悪党はおいらは悪党だぞと名乗らないと話にならない。 相手がヒビッてくれるところからしか全てが始まらない。 詐欺師も悪党もその行為は「濡れ手で粟」を常に目指している。 世の中に目を光らせて、美味しい話の「甘い汁を吸うこと」に意義がある。 前者にしろ後者にしろ標的にはなりたくないだろ? ダメージは大きいぞ。 なら詐欺師も悪党も危険なので貴方の人生から削除しましょう。 要は見れば分かる悪党相手に嫌な目に遭いたくなければ、君子危うきに近寄らず、始めから係わらなければいいのだ。 で、詐欺師を削除するもっとも有効な方法は詐欺師を見破ること。 詐欺師ってのは見破られるとトットと逃げ出す。 でも、もしもその詐欺師が貴方より巨大で人間界弱肉強食原理に当てはまる時は、排除されたり陥れられたりして深手を負わないよう、貴方がトットと逃げ出しましょう。 以上を踏まえて、では詐欺師を見破るために詐欺師の法則のはじまりはじまり。